『科挙 中国の試験地獄 (中公新書)』
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(著) 宮崎市定
ISBN:B00GBWESJK
かつて中国では、官吏登用のことを選挙といい、その試験科目による選挙を「科挙」と呼んだ。官吏登用を夢みて、全国各地から秀才たちが続々と大試験場に集まってきた。浪人を続けている老人も少なくない。なかには、七十余万字にもおよぶ四書五経の注釈を筆写したカンニング襦袢をひそかに着こんだ者もいる。完備しきった制度の裏の悲しみと喜びを描きながら、試験地獄を生み出す社会の本質を、科挙制度研究の権威が解き明かす。
#書籍名
読書メモ
科挙=複数の科目 + 選挙=官吏登用
587年~1904年まで続いた
試験勉強
15歳までに四書五経を暗記していくのが基本
四書五経:論語や孟子、易教など全部で43万字を暗記する
ついかでこの数倍の注釈も試験にだされる
ほかにも経典や歴史、文学にも通読し、それにならって自分で詩や文章(論文)を作れるようにならないといけない
学校試=童試 3年に2回
県試
入学試験のひとつめ
一日目の試験が終わり採点→翌日試験 ×5回やって平均点で合格者を発表する
最後の一回は聖諭広訓を書くだけなのでほぼスルー
合格者は入学定員の4倍ほどに絞られる
入学定員は各地方で4~25名ぐらい
府試
入学試験の2つ目
県試合格者に対する再検査の意味。
合格者は入学定員の2倍
試験は3回。最後の一回は聖諭広訓を書くだけなのでほぼスルー
院試
本試験
合格者=入学定員
10の不正行為が定められている(39頁)
試験は全部で4回。1回目で入学定員の3-5割増の合格者、2回目でほぼ入学定員と同数の合格者。3,4回目は形式的
院試に合格するとそれぞれの国立学校に入学できる。
地方の学生の制度
凛生:食費などが支給される地方の学生
歳試で好成績だったり、10年務めると中央の太学へ進学して監生になる
監生になると科挙を受ける権利に加えて、太学内での試験をうけて官吏になれる
増生:食費などは支給されない追加の学生
附生:見習いの生徒
それぞれ順次、資格が上がっていく
歳試
学校内で3年に2回行われる学内テスト。
テスト結果を6等分して、1-2位クラスで次の資格に空きがあれば昇格、5-6は降格
監生になっても実際は余所者扱いを受けるだけだし、昇格もできない。
歳試を受けないような動きが出てくる
科挙試
科試
科挙を受ける人=挙子
郷試の予備試験。3年に1回
成績を6等分して、1-2クラスと3クラスの上位5人が郷試へ進む
郷試
3年に1回。中央の貢院にて行われる。
初日に入場と不正検査、翌日の朝から試験開始、翌々日の朝から夕方までで試験終了。
その2日後に第2回の試験を2日間かけて行い、その翌日に第3回の試験が行われて全試験が終了。
答案は筆跡を修正するため、すべて模写して、採点者に回す。採点は2度行われる。
合格者は挙人となる。挙人になると一気に世間の評価が高くなる
検査官を抱き込んで不正を行った場合、関係者はほぼ死刑。
挙人覆試
会試を受ける人数を制限するために挙人を集めて行う試験。1日で終了する。
受験者が多いので追試もある。
会試
会試覆試
殿試
朝考
武科挙
制科